ウゴービ中にたんぱく質が不足しやすい理由|筋肉を守るために知っておきたいこと【医師監修】
ウゴービを使い始めて、
- 食欲が落ちた
- 食事量が減った
- 間食が減った
という変化を感じる方は多くいらっしゃいます。
一方で、
- なんとなく体力が落ちた
- 筋肉が減った気がする
- 疲れやすくなった
- 体重は減ったのに引き締まらない
と感じるケースもあります。
その背景にあるのが、
「たんぱく質不足」です。
ウゴービは正しく使えば有効な治療ですが、
栄養設計を誤ると、脂肪だけでなく筋肉も減少する可能性があります。
この記事では、
- なぜウゴービ中にたんぱく質が不足しやすいのか
- 筋肉が減るメカニズム
- 必要なたんぱく質量の目安
- 筋肉を守るための具体的な対策
を、医師監修のもとで詳しく解説します。
なぜウゴービ中にたんぱく質が不足するのか?
ウゴービは、食欲を抑えることで総摂取カロリーを減らす薬です。
ここで起こるのが、次の流れです。
食事量が減る
→ 全体の栄養摂取量が減る
→ たんぱく質も同時に不足する
多くの方は、
「食べる量が減った=カロリーが減った」
と捉えますが、実際には
栄養バランスも同時に崩れやすいのです。
特に不足しやすいのが、筋肉の材料となる「たんぱく質」です。
食欲が落ちたときに起こる“食事の偏り”
食欲がないとき、人は無意識に次のような選択をしがちです。
- おかゆやうどんなど炭水化物中心
- ヨーグルトやゼリーなど軽いもの
- サラダのみで済ませる
一方で、
- 肉
- 魚
- 卵
- 大豆製品
といった主菜(たんぱく質源)は後回しになりやすい傾向があります。
その結果、
必要なたんぱく質量を満たせない日が続くことがあります。
たんぱく質不足が招く「筋肉減少」の仕組み
たんぱく質は筋肉の材料です。
摂取量が不足すると、体はエネルギーを補うために
筋肉を分解してアミノ酸を取り出します。
これが続くと、
- 筋肉量が減る
- 基礎代謝が下がる
- 体が冷えやすくなる
- 疲れやすくなる
といった変化が起こります。
さらに、基礎代謝が下がると、
- 痩せにくくなる
- リバウンドしやすくなる
という悪循環に入る可能性があります。
減量時は「脂肪だけ」が落ちるわけではない
どのような減量でも、
- 脂肪
- 水分
- 筋肉
が一定割合で減少する可能性があります。
重要なのは、
👉 筋肉減少を最小限に抑えること
です。
ウゴービ自体が筋肉を壊すわけではありません。
問題は、栄養管理が伴わない減量です。
どれくらいのたんぱく質が必要?
一般的な目安は、
体重1kgあたり1.0〜1.2g
減量中や活動量が多い場合は、
1.2〜1.5g程度が推奨されることもあります。
例:
- 体重60kg → 60〜72g/日
- 体重70kg → 70〜84g/日
ただし、
- 年齢
- 運動量
- 腎機能
によって適正量は変わります。
自己判断ではなく、医師や専門職と相談することが重要です。
40代以降は特に注意
年齢とともに筋肉は自然に減少します(サルコペニア傾向)。
その状態で減量を行うと、
- 筋力低下
- 転倒リスク増加
- 疲労感の増加
につながる可能性があります。
特に40代以降は、
減量=筋肉維持が最優先課題です。
ウゴービ中に意識したい3つの実践ポイント
① 食事の最初にたんぱく質を食べる
卵、鶏むね肉、魚、豆腐など
少量でも高たんぱくな食品を優先します。
② 毎食にたんぱく質を入れる
1日まとめてではなく、
1食あたり20g前後を目安に分けて摂ると吸収効率が良いとされています。
③ 軽い筋刺激を入れる
- スクワット
- ウォーキング
- 階段利用
など、筋肉への刺激が維持に役立ちます。
「体重が減った=成功」ではない理由
体重が減っても、
- 脂肪が減ったのか
- 筋肉が減ったのか
で意味は大きく異なります。
理想は、
👉 脂肪を減らし、筋肉は維持すること
当院では、
体重だけでなく体組成の視点も重視しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ウゴービを使うと必ず筋肉は落ちますか?
必ずではありません。栄養と運動管理で維持可能です。
Q2. プロテインは必要ですか?
食事で不足する場合、補助として活用することがあります。ただし過剰摂取は避けます。
Q3. 食欲がなくて食べられません。どうすれば?
少量高たんぱく食品を優先し、無理せず医師に相談してください。
Q4. 女性でも筋肉は減りますか?
はい。特に閉経前後は注意が必要です。
Q5. 糖質を減らせば筋肉は守れますか?
極端な糖質制限は逆に筋肉分解を促進する可能性があります。
まとめ|ウゴービ中は「たんぱく質」を最優先に
ウゴービは有効な減量治療ですが、
同時にたんぱく質不足のリスクがあります。
成功のポイントは、
体重を減らすこと
ではなく
筋肉を守りながら脂肪を落とすこと
です。
次回は、
👉 筋肉を落とさないPFCバランスの整え方
を具体的に解説します。
記事監修
伊達 亮
(だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長)
福岡大学医学部医学科を卒業後、山口大学医学部付属病院整形外科・麻酔科での経験を経て現職に至る。
日本整形外科学会専門医、日本骨粗鬆症学会専門医、日本リハビリテーション医学会専門医など多岐にわたる専門医資格を保持。
日本関節病学会によるクーリーフ認定を受け、地域の「寝たきりゼロ」をミッションに掲げ、骨粗しょう症の早期発見・早期治療、および運動器リハビリによる転倒予防に尽力している。