四十肩・五十肩の治し方 セルフストレッチと整形外科の治療法

2025/10/21

1. はじめに

「肩が痛くて腕が上がらない」「夜寝ているときにズキズキ痛む」――40代以降の方に多く見られるこの症状は、いわゆる四十肩・五十肩と呼ばれるものです。正式な病名は肩関節周囲炎といい、加齢に伴って肩の関節や周囲の組織に炎症が起こることで発症します。

「放っておけば自然に治るの?」「整形外科に行くタイミングはいつ?」といった疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、肩 痛み 原因をわかりやすく解説し、下関市で整形外科をお探しの方に向けて、当院の治療内容や自宅でできるストレッチについて詳しくご紹介します。

2. 肩関節周囲炎(疾患)の症状と原因

主な症状

  • 肩の動きに制限が出る(特に腕を上げる・後ろに回す動作)
  • 夜間痛(寝返りをうつと痛い、眠れない)
  • 日常生活動作の制限(洗濯物を干す、服を着替える、髪を洗う動作が困難)

原因

肩関節周囲炎の原因は明確には解明されていませんが、以下が関連すると考えられています。

  • 年齢による肩関節周囲の組織(腱や靭帯、関節包)の変化
  • 血流の低下による炎症や癒着
  • 長期間の姿勢不良(猫背やデスクワーク)による負担
  • 糖尿病などの生活習慣病との関連(発症リスクが高いと報告あり)

👉 特徴的なのは、レントゲンでは骨折や明らかな異常が見つからないのに、肩の動きだけが著しく制限されることです。

3. 自然に治るの?放置するリスクは?

「四十肩は放っておけばそのうち治る」と耳にしたことがある方も多いでしょう。
実際、自然経過で1〜2年ほどで軽快する場合もあります

しかし注意が必要です。

  • 適切なリハビリをしないと「可動域制限(関節が固まること)」が長引く
  • 痛みのために肩を動かさないと、筋力が低下して回復が遅れる
  • 糖尿病や高血圧がある方は治りが悪くなる傾向

つまり、放置することで「日常生活に長期的な支障を残す」リスクがあります。
できるだけ早く整形外科で診断を受け、その人に合った治療方針を立てることが大切です。

4. 整形外科での治療内容

整形外科では、症状の進行段階に応じて治療を行います。

急性期(痛みが強い時期)

  • 内服薬・注射:消炎鎮痛薬やヒアルロン酸注射、場合によってはステロイド注射を使用
  • 安静とアイシング:過度な運動を控えつつ、痛みが強いときは冷却で炎症を抑える

慢性期(痛みが落ち着き、動きが硬い時期)

  • リハビリテーション:肩関節を少しずつ動かすストレッチや可動域訓練
  • 温熱療法:血流を良くし、筋肉や関節を柔らかくする
  • 低周波治療・超音波治療:痛みを和らげ、回復を促進

難治例

数年たっても改善しない場合は、関節鏡視下手術や癒着剥離といった外科的治療が検討されますが、ほとんどの方は保存療法で改善します。

5. 自宅でできる対処法・予防法

整形外科の治療と並行して、自宅でできるセルフケアが重要です。

セルフストレッチ例

※無理のない範囲で行ってください。痛みが強い場合は中止し、医師に相談を。

  1. 振り子運動
    • 椅子に座り、上半身を前に倒す
    • 患側の腕を自然に下げ、小さな円を描くように前後・左右に揺らす
  2. タオルストレッチ
    • タオルを背中に回し、片手で上から、もう片手で下から持つ
    • 上下に軽く引っ張り、肩を伸ばす
  3. 壁歩き運動
    • 壁に向かって立ち、指先で壁を「歩かせる」ように少しずつ上に伸ばす

生活習慣の工夫

  • 猫背を避け、肩甲骨を意識して姿勢を正す
  • デスクワーク中はこまめに肩を回す
  • 適度な運動とストレッチを習慣化する

👉 ポイントは「痛みのない範囲内で動かす」こと。完全な安静は逆効果になるため注意しましょう。

6. 当院での対応とご案内

当院(だて整形外科リハビリテーションクリニック)では、肩 痛み 原因に合わせた丁寧な診断と治療を行っています。

  • レントゲンや超音波での診断
  • 消炎鎮痛薬や注射による痛みのコントロール
  • 理学療法士、作業療法士によるリハビリ(可動域訓練・ストレッチ指導)
  • 日常生活での注意点やセルフストレッチのアドバイス

「そのうち治るだろう」と思って受診が遅れると、回復が長引くこともあります。
肩の痛みでお困りの方、下関市で整形外科をお探しの方はお気軽にご相談ください。

まとめ

  • 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は40〜60代に多い肩の炎症性疾患
  • 放置しても治る場合はあるが、関節の硬さや筋力低下が残るリスクあり
  • 整形外科では薬・注射・リハビリなど段階的に治療
  • 自宅では無理のないストレッチと生活習慣改善が有効
  • 下関市で肩の痛みに悩んでいる方は早めの受診をおすすめ

 参考文献

  • 日本整形外科学会「肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)」解説ページ
  • 日本整形外科学会診療ガイドライン 2023
  • NICE Clinical Knowledge Summaries: Frozen Shoulder (2023)
  • JAMA: Clinical Management of Frozen Shoulder (2022)