みなさんこんにちは。
院長の伊達亮です。
先日開催された2024年6月12日(水)~2024年6月15日(土)にオーストリアのウィーンで開かれたヨーロッパのリウマチ学会(EULAR European League Against Rheu-matism)に参加してきました。
この学会は、アメリカリウマチ学会(ACR)と並んでリウマチ学では世界中でも最も規模の大きい学会の一つです。
ベルギーのD. C. Diederik医師のポスター講演を拝見しました。
JAKiボーナスと呼ばれる試験の検証でした。
POS0625
EXPLORING THE DETERMINANTS OF THE JAKi BONUS IN REAL-WORLD OBSERVATIONAL DATA
Background: Advanced therapy responses in patients with rheumatoid arthritis (RA) exhibit remarkable similarity across trials. However, Janus-kinase-inhibitors (JAKi) stand out with a consistent 10% improvement in trials, referred to as the JAKi-bonus. Real-world data on this bonus are lacking.
背景 関節リウマチ(RA)患者における先進治療効果は、臨床試験間で顕著な類似性を示している。 しかし、ヤヌスキナーゼ阻害薬(JAKi)は、JAKiボーナスと呼ばれる試験で一貫して10%の改善を示し、際立っている。 このボーナスに関する実際のデータは不足している。
Objectives: To explore the existence and potential explanations for the JAKi-bonus in a RA registry.
目的 RAレジストリにおけるJAKiボーナスの存在と潜在的な説明を探ること。
Adult patients ≥18 years- and a DAS28 score>3.7 starting for a first time a JAKi or a comparator population treated with non-JAKi were selected between 1 December 2017 and 1 January 2024.
The JAKi bonus was determined by the patient proportion achieving remission (DAS28<2.6).
Results: In total, 2867 patients on JAKi and 5986 patients on non-JAKi were included (Table 1). Remission was reached in 41.4% (1187/2867) JAKi versus 32.8% (1964/5986) non-JAKi patients (p<0.001).
結果
実臨床でも感じていることですが、JAK阻害薬は切れ味がいいと思います。
適応をしっかりと見極めて、使用していこうと改めて思いました。
文責 下関市 だて整形外科リハビリテーションクリニック 日本リウマチ学会専門医 伊達 亮
写真はウィーンのシンボルの一つステファン大聖堂です。
この聖堂を含むリング (Ring) と呼ばれるウィーン歴史地区は2001年にユネスコの世界遺産に登録されました。
街全体が世界遺産のような感じで、リングと呼ばれるエリアは4Km程度で、トラムに乗るとそれほど時間がかからず一周できてしまいます。
この大聖堂は北塔と南塔に分かれていて、1359年に65年がかりで南塔が完成。136.7メートルの高さをもち、教会の塔としてはウルム大聖堂(161メートル)、ケルン大聖堂(157メートル)についで世界で3番目の高さがあるそうです。北塔は財政難のため、上方向への拡張はできなかったようです。
オーストリアはドイツ語が公用語です。ウィーンは、 本来の名前は「Wien」で、ドイツ語では「ヴィーン」と発音されます。 ちなみに、英語では「Viena」で、「ヴィエナ」と発音されます。 日本語の「ウィーン」は、ドイツ語の「Wien」を、ローマ字式に読んだものだそうです。
文責 下関市 だて整形外科リハビリテーションクリニック 日本リウマチ学会 専門医 伊達亮