【学会参加】日本運動器学会学術大会|理学療法士が解説する前十字靱帯(ACL)損傷後リハビリの重要性

2024/09/18

こんにちは。

だて整形外科クリニックリハビリテーション科の西原です。

9/14~9/15に横浜で行われた日本運動器学会学術大会に参加させていただきました。

スポーツ外傷から慢性腰痛といったあらゆる分野の最新の知見や研究を直接聞くことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

初日では順天堂大学教授の相澤先生による「前十字靱帯損傷・再建術後患者におけるスポーツ理学療法研究」に関する講演を聴講しました。

【受傷機転】

受傷機転は様々ですが、個人で反復練習していても、他者が近くにいるだけでも通常のプレーとは異なってしまい、受傷することもあります。

【競技復帰】

復帰には7~10ヶ月程度必要と言われています。しかし、競技復帰しても元々の靱帯の(力学的)強度まで回復しないので再断裂のリスクが残ってしまいます。再断裂しないためにも段階を踏んだリハビリテーションが大切になってきます。

選手が「なんとなくいけそうかな・・・」と思っていてもプラス1ヶ月程度復帰を遅らせるだけで再断裂のリスクを減らすことができます。選手の気持ちもありますが、再断裂後の方が回復が遅くなるので、初回の再建術後は焦らずしっかり治して競技復帰するようにしています。

【感じたこと】

今回のACL術後のリハビリに関して、段階を踏んで適切な運動負荷を調整することが、理学療法士としての役目であると感じました。相澤先生自身の実際の臨床で感じられていることも話していただきました。特にスポーツ復帰前に垂直ジャンプや直線ダッシュ、横のジャンプがしっかりできる選手は再断裂のリスクも少ないように感じているとおっしゃっていました。競技特性なども考慮したリハビリテーションを提供することで再断裂のリスクを軽減させ、受傷前の動作レベルに近い状態での競技復帰が出来るようにリハビリテーションを提示できるように今後も研鑽をしていきます。

文責 だて整形外科リハビリテーションクリニック

理学療法士 西原 翔真

監修者情報

日本整形外科学会専門医 伊達 亮(だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長)
福岡大学医学部医学科を卒業後、山口大学医学部付属病院整形外科・麻酔科での経験を経て現職に至る。日本整形外科学会専門医 、日本骨粗鬆症学会専門医 、日本リハビリテーション医学会専門医 など多岐にわたる専門医資格を保持し、地域の「寝たきりゼロ」をミッションに掲げ、骨粗しょう症の早期発見・早期治療、および運動器リハビリによる転倒予防に尽力している。