股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ関節です。大腿骨の上部(大腿骨頭)は丸くなっていて、骨盤側の受け皿にはまっています。
大腿骨頭の表面は、軟骨で覆われ、滑りやすくなっているので、股関節が自在に動きます。
変形性股関節症とは、股関節の軟骨がすり減り、骨盤側の寛骨臼と大腿骨頭がこすれて変形が進行する病気です。
変形性股関節症は、痛みが出現し、関節の動く範囲が少なくなります。最初のうちは、動き始めに痛みを感じることが多く、病気が進むとじっとしていても痛みを感じるようになります。
また、動いているときも痛みが強くなり、足の長さの差が出たり、筋力が低下することもあるため、体が左右に振れる歩き方になってしまう方もいます。
変形性股関節症ガイドライン2016では、短期的な疼痛緩和、機能の改善に有効という報告があります。(図2)長期的な成績は、報告があまりありませんが、Conrozier Tらは、変形性股関節症141例の報告で、1〜3回の関節内ヒアルロン酸注入は疼痛緩和に有効で、3〜12ヵ月の経過観察期間での有効率は約50%であったとしており、変形の進行具合にもよりますが、初期の股関節症では、有効性が比較的高いと考えています。残念ながら、日本では股関節へのヒアルロン酸注射は認められていません。ご希望の方は、自由診療にて対応させていただきます。