こんにちは。だて整形外科クリニックリハビリテーション科の西原です。
9/14~9/15に横浜で行われた日本運動器学会学術大会に参加させていただきました。
前回に引き続き今回は、腰痛に関する講演を諸谷先生にしていただきました。現在、アメリカのカルフォルニア州、ロサンゼルス地域で理学療法をおこなっており、運動系機能障害(movement system impairment)診断システム(以下:MSI診断システム)を広げるために“Nexus Motion”を立ち上げて活動をされております。今回、実際にMSI診断システムを使用したデモンストレーションも行っていただき大変勉強になりました。
疼痛と運動の関係は、①怪我などから運動に影響される分類(病理運動学的モデル)と②その方にとって理想的ではない運動や姿勢、筋肉がうまく使えない(筋の活性化パターン)ことで組織にストレスが加わってしまう分類(運動病理学的モデル)に分けられます。
①は怪我という根本的な問題があるため正常な運動パターンから逸脱してしまうことは理解できますが、なぜ明らかな問題がないにも関わらず②のように、理想的な運動ができないのでしょうか。その点についても諸谷先生が説明してくださいました。
関節運動は最小抵抗の軌道を通ります。理想的な軌道とは異なる場合、本来より過剰に動いてしまう部分がでてきてしまいます。そこが局所的な疼痛として現れます。
例としては腰を曲げる動作は股間節と腰椎を曲げて獲得します。しかし、股間節より腰椎の方が動きやすい場合(股関節の相対的硬さ・腰の相対的柔軟性)、腰椎の過剰可動性の状態となってしまい腰痛として現れる場合があるとのことです。
理想的なパターンから逸脱した動作は日常生活や、仕事中に無意識に反復してしまいます。しかしそこには反復による組織へのストレスが掛かっているため正常な動作パターンに修正しないと疼痛は改善されません。理学療法士としてはこの動作パターンを判断し、なにが問題なのかを検査測定結果から評価し介入する仕事です。これからも少しでも患者さんの疼痛を理解し、修正していけるように精進していきます。
文責 だて整形外科リハビリテーションクリニック 理学療法士 西原 翔真