だて整形外科リハビリテーションクリニック

仙腸関節症について

2023/08/16

股関節や腰の痛みを引き起こす仙腸関節障害について説明します。仙腸関節は、脊椎の基部に位置し、通常は微小な動きを行います。しかし、仙腸関節が障害されることで痛みが生じることがあります。この障害によって、股関節や腰の痛みが強まることが多いです。

仙腸関節障害の主な原因は、腰の捻りや前後の脚の開き、不安定な中腰の姿勢などがあります。これによって仙腸関節への偏った負荷がかかり、バランスが崩れて障害が引き起こされると考えられています。

典型的な症状としては、片側の腰や臀部、股関節、鼠径部や脚の痛みが現れます。また、長時間座ることや仰向けに寝ることが難しく感じることもあります。急性のぎっくり腰のような痛みも発生することがあります。腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアとの症状の類似性から、正確な鑑別診断が重要です。

診断には、問診やレントゲン、MRIなどの画像検査が行われます。これによって腰部の他の疾患との鑑別が行われます。

治療法はいくつかあり、まず安静と薬物療法が行われます。さらに、コルセットや骨盤ベルトを使用して仙腸関節を安定させる方法や、抗炎症薬の内服、必要に応じたブロック注射が行われます。

また、リハビリテーションも重要です。腰椎の可動域を改善し、股関節周りの筋肉を強化することで症状の改善が期待されます。

さらに、エコーガイド下筋膜リリース(ハイドロリリース)と呼ばれる治療法もあります。これは超音波検査を使用して、仙腸関節を標定し、薬液を注射して癒着した筋膜を剥がす方法です。この治療法は保険診療の一環として行われ、長く仙腸関節障害に悩む方にはぜひ相談することをおすすめします。