【学会参加】EULAR2024 in VIENNA⑦|難治性関節リウマチ(D2T)におけるb/tsDMARDsの治療成績

2024/07/04

みなさんこんにちは。院長の伊達亮です。

2024年6月12日(水)~2024年6月15日(土)にオーストリアのウィーンで開かれたヨーロッパのリウマチ学会に参加してきました。

スペインのM. Novella-Navarro医師による

POS0478

【SURVIVALTO b/tsDMARDs IN PATIENTS AFTER FULFILLING DIFFICULT-TO-TREAT RHEUMATOID ARTHRITIS CLASSIFICATION】~難治性関節リウマチ(D2T)におけるb/tsDMARDsの生存率~

Of the 122 patients included, 75 maintained active treatment (61.5%) with the subsequent line after D2T compared to 37 patients (38.5%) who discontinued this treatment and required more sucessive lines of b/tsDMARDs.

対象患者122人のうち、75人(61.5%)がD2Tと診断されたあとも同様の治療を継続できたのに対し、37人(38.5%)はb/tsDMARDsの追加投与を必要とした。 追加投与された薬剤は、TNFi(17例)、抗IL6R(31例)、アバタセプト(27例)、リツキシマブ(27例)、JAKi(20例)であった。 治療の平均生存期間は78.3±7.6ヵ月で、D2T後に治療を維持した患者の割合は、TNFiで29.4%、アバタセプトで29.6%、抗IL6Rで74.2%、リツキシマブで88.9%、JAKiで75.0%であった。


当院でも治療困難な方に、JAKi製剤を使用することがありますが、合併症のリスクなどから適応は慎重に行っています。リツキシマブは欧州では、以前から使用され、良好な成績が認められているようです。今回の日本リウマチ学会ガイドライン2024でも初めて記載されましたが、保険収載には至っていません。(2024年6月現在)保険収載が待たれます。

執筆者情報

日本整形外科学会専門医 伊達 亮(だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長)
福岡大学医学部医学科を卒業後、山口大学医学部付属病院整形外科・麻酔科での経験を経て現職に至る。日本整形外科学会専門医 、日本骨粗鬆症学会専門医 、日本リハビリテーション医学会専門医 など多岐にわたる専門医資格を保持し、地域の「寝たきりゼロ」をミッションに掲げ、骨粗しょう症の早期発見・早期治療、および運動器リハビリによる転倒予防に尽力している。