【講演会レポート】愛知医科大学講演会より|関節リウマチ治療「メトジェクト」の有効性とフレイル予防のためのリハビリの重要性

2024/01/11

今日は、愛知医科大学高橋先生の関節リウマチ診療UP to DATEという講演を拝聴しました。

主にリウマチ治療の中心的役割を果たすメトトレキサートについてとリハビリの重要性のお話でした。

リウマチ治療はメトトレキサートという薬剤を十分量使用できるようになり、非常にコントロールしやすくなりました。

食欲不振などが原因で十分な量が使えない方もおられますが、メトジェクトというメトトレキサートの注射製剤が登場してから、副作用が少なくなり十分な量が使えるようになりました。

当院では約80名のリウマチ患者さんが通院されていますが、最近非常に多くの患者さんでこの製剤を使用するようになり、コントロールが良好な方が更に増えている印象です。
また、10mgの内服製剤と注射製剤を比較すると、概算的には1.5倍くらい注射の方が効果があるようです。

またリウマチ患者さんは疾患のコントロールが十分でない場合、フレイルという病態が進みやすいというお話もありました。

フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指しますが、適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性があります。

適切な予防には当院でも積極的に行なっている運動器リハビリの長期継続がとても重要ということも話されていました。

適切な薬剤選択による疾患活動のコントロールとリハビリ介入の重要性を改めて認識しました。

明日からの診療に役立てたいと思います。

記事監修

日本整形外科学会専門医 伊達 亮(だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長)

福岡大学医学部医学科を卒業後、山口大学医学部付属病院整形外科・麻酔科での経験を経て現職に至る。日本整形外科学会専門医日本骨粗鬆症学会専門医日本リハビリテーション医学会専門医など多岐にわたる専門医資格を保持。地域の「寝たきりゼロ」をミッションに掲げ、骨粗しょう症の早期発見・早期治療、および運動器リハビリによる転倒予防に尽力している。