「クーリーフ(Coolief)治療を受けたいけど、どんな流れ?」「入院は本当に不要?」「費用は高額にならない?」
変形性膝関節症による慢性的な痛みは、日常生活の質(QOL)を大きく低下させます。その新しい解決策であるクーリーフ治療は、身体への負担が少ない日帰り治療として注目されていますが、特殊な医療行為だからこそ、治療への一歩を踏み出すには、手順や費用に関する明確な情報が必要です。
本記事では、下関市で初導入となるクーリーフ治療を提供するだて整形外科リハビリテーションクリニックが行う、安全で高精度な治療の流れと、費用(保険適用)について詳しく解説します。特に、治療の成否を分ける「テストブロック(診断)」の重要性と、当院が誇る専門医による診断体制についてご理解いただけます。
クーリーフ治療は、痛みの原因となっている神経を正確に特定することが不可欠です。当院では、院長の専門性を活かした厳格な診断プロセスを踏んでいます。
初めてご来院いただいた際には、まず、患者さん一人ひとりの症状を深く理解することから始めます。
クーリーフ治療の適用を決める最終段階であり、治療の成功率を大きく左右するのが「テストブロック」(診断的末梢神経ブロック)です。
| テストブロックの重要性 | 目的 |
| 神経の特定 | 高周波で焼灼する予定の神経に、ごく微量の局所麻酔薬を注射し、痛みが**一時的に(数時間)**軽減するかどうかを正確に診断します。 |
| 適応の確認 | 痛みが明らかに軽減した場合にのみ、「その神経こそが慢性疼痛の原因である」と断定し、クーリーフ治療の高い有効性が期待できると判断します。 |
| 当院の体制 | 日本整形外科学会専門医であり、エコー診断の経験豊富な院長が、超音波(エコー)でリアルタイムに神経を描出・確認しながら行うため、非常に高い精度と安全性で診断を完了させます。 |
テストブロックで効果がない場合は、クーリーフ以外の原因(他の神経痛、筋肉の問題など)を探り、最適な治療法へ切り替えます。
テストブロックで適応と判断された後、患者さんと相談の上、本治療のスケジュールを決定します。
当院のクーリーフ治療は、患者さんの生活負担を考慮し、原則として入院は不要です。
| ステップ | 所要時間(目安) | 詳細な実施内容と当院の配慮 |
| 【当日】来院・再確認 | 15分 | 体調チェック。治療室入室後、ベッドに横になっていただき、治療の準備を始めます。 |
| 本治療(ラジオ波焼灼) | 30分~60分 | エコー誘導の下、麻酔を行った後、特殊なクーリーフの針を挿入し、設定された温度と時間で高周波(ラジオ波)を流します。痛みの神経3箇所に、それぞれ約2分30秒の焼灼を繰り返します。冷却技術により、周辺組織への影響を最小限に抑えます。治療中に痛みを感じた場合は適宜麻酔を追加しますので、安心してください。 |
| 治療後・観察 | 30分~60分 | 治療後の出血や体調の変化がないか、回復室で安静にしていただきます。問題がないことを確認し、治療後の注意点をご説明の上、ご帰宅となります。 |
クーリーフ(末梢神経ラジオ波焼灼療法)は、2023年6月より健康保険が適用されている治療法です。
| 保険適用の条件 | 例外・自費診療となるケース |
| 対象疾患 | 変形性膝関節症による慢性疼痛(原則として半年以上)。 |
| テストブロック | テストブロックによる効果が確認されていること。 |
| 人工関節後 | 人工関節置換術後に残った膝の痛みに対する治療は、現在のところ保険適用外となり、自費診療となります。 |
クーリーフ治療費は、公的医療保険の適用となります。治療費は点数によって定められており、患者さんの窓口負担割合に応じた費用となります。
| 負担割合 | 費用目安(片膝・1回あたり) |
| 3割負担 | 約50,000円~60,000円程度 |
| 2割負担 | 約33,000円~40,000円程度 |
| 1割負担 | 約16,000円~20,000円程度 |
注意点: 上記はあくまでクーリーフ本治療費のみの目安です。これに加えて、初診料、事前の精密検査費用(レントゲン、エコー、採血など)、テストブロックの費用、薬剤費、治療後のリハビリ費用などが別途必要となります。正確な費用については、診察時に個別にご説明いたします。
医療費の自己負担額が高額になる場合、日本の公的医療保険制度には高額療養費制度があります。
この制度を利用すれば、1ヶ月あたりの医療費の自己負担額には所得に応じた上限が設けられています。医療費の支払いについてご心配な方は、事前に当院の受付窓口、またはご加入の健康保険組合にご相談いただき、制度の活用をご検討ください。
クーリーフ治療は、診断の精度、治療の安全性、そしてその後のリハビリ計画が効果を大きく左右する、高度な手技です。
だて整形外科リハビリテーションクリニックでは、日本整形外科学会専門医・日本関節病学会によるクーリーフ認定を受けた院長が、正確なエコーガイド下のテストブロックで治療の適応を厳密に見極め、低侵襲な日帰り治療で患者さんの負担を軽減します。
安全で確実な診断体制、そして治療後の運動器リハビリまで一貫してサポートすることで、「地域の寝たきりゼロ」というミッションを達成し、皆さまの活動的な未来を支援します。膝の痛みでお困りでしたら、まずは一度当院にご相談ください。
日本整形外科学会専門医 伊達 亮(だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長)
2002年福岡大学医学部医学科を卒業後、山口大学医学部付属病院整形外科・麻酔科での経験を経て現職に至る。日本整形外科学会専門医、日本関節病学会クーリーフ認定医・日本骨粗鬆症学会専門医、日本リハビリテーション医学会専門医など多岐にわたる専門医資格を保持。地域の「寝たきりゼロ」をミッションに掲げ、骨粗しょう症の早期発見・早期治療、および運動器リハビリによる転倒予防に尽力している。
本記事は、公的機関の発表、および国内外の信頼できる臨床報告に基づき作成されています。