だて整形外科リハビリテーションクリニック

骨粗鬆症リエゾンマネージャ

2019/04/21

当院ナース和田が日本骨粗鬆症学会認定骨粗鬆症マネージャーの資格を取得しました。

早速、市内配布のフリーペーパーゆらりに記事を投稿してくれました。

わかりやすく、骨粗鬆症についてかかれているので、一度目を通していただければ幸甚です。

骨粗鬆症は痛みなどの症状を伴わないため、治療の継続率の低さが問題になっています。

医師と患者さんの間の架け橋となって、骨粗鬆症検査の必要性の啓蒙や治療率の向上を通して、地域の寝たきり患者さんゼロを目標にがんばっていってほしいです。

骨粗鬆症マネージャー(リエゾンサービス)の取組について【日本骨粗鬆症学会HPより 一部改変】

 

過去10年間に骨粗鬆症治療薬は長足の進歩を遂げてきていますが、わが国での脆弱性骨折発生率が低下したか?といえば、決してそうではありません。

 

北欧や北米では、年齢補正した発生率が低下傾向にあると報告されていますが、わが国では大腿骨近位部骨折をはじめとした四肢骨折発生率はいまだ上昇を続けていると報告されています。

その原因の一つに、骨折リスクが高まった例に対する十分な骨折予防、すなわち骨粗鬆症治療が適切に実施されていない点が指摘されています。

たとえば大腿骨近位部骨折後に骨粗鬆症治療が継続実施されている患者の割合は、全体の19%に過ぎません。これからも超高齢者人口は増加しますので、さらに骨折患者数の急増が予想されます。

しかしながら、骨折患者や骨折リスクの高い症例に対して適切な骨折予防を実施するには、担当医のみの努力には限界があります。

脆弱性骨折の2次予防が、骨粗鬆症治療の成績向上につながることが明らかでも、骨折の手術を実施している病院の外科医や、多数の患者の診察を余儀なくされる診療所の医師には、限られた診療時間のなかで十分に対応するのは困難なことが多いのが現状です。

そこで最近、骨粗鬆症治療におけるリエゾン(liaison)サービスが注目されています。リエゾンとは「連絡係」と訳され、診療におけるコーディネーターの役割を意味します。

その目的は、最初の骨折への対応および骨折リスク評価と、新たな骨折の防止、また最初の脆弱性骨折の予防であり、サービスの提供対象は大腿骨近位部骨折例、その他の脆弱性骨折例、骨折リスクの高い例や転倒リスクの高い例、高齢者一般です。

 

すでに英国、豪州、カナダではこのようなサービスが実施され、多職種連携による骨折抑制を推進するコーディネーターの活動によって、骨折発生率が低下し、トータルでは医療費も少なくて済むことが報告されています。

一般社団法人日本骨粗鬆症学会では骨粗鬆症治療におけるリエゾンサービスの普及を目的に、骨粗鬆症の診療支援サービスに関わっていただく医療職の方を対象にした教育プログラムを策定し、普及・推進をすすめています。

この事業では、地域の骨粗鬆症治療においてリーダーシップを発揮される方が増え、より実効性のある骨粗鬆症の予防と治療の普及につながることを期待しており、2014 年 10 月には認定試験を開始し、毎年1回実施しています。