Q&Aで不安解消!クーリーフに関する患者様のギモン:痛みは完全に消える?2回目の治療は可能?

2025/12/15

変形性膝関節症による慢性疼痛にお悩みの方々にとって、クーリーフ(Coolief)治療は「手術を避けられる画期的な選択肢」として大きな期待が寄せられています。しかし、新しい治療法であるからこそ、「本当に安全なのか?」「効果はどれくらい続くのか?」「万が一、痛みが再発したら?」といった多くの疑問や不安を抱えるのは当然のことです。

本記事では、日本関節病学会によるクーリーフ認定医であり、日本整形外科学会専門医の資格を持つ当院の院長が、患者さんからよく寄せられるクーリーフ治療に関する疑問・質問に、医学的な根拠に基づき詳しくお答えします。治療への不安を解消し、前向きに検討するための一助としてください。

1. クーリーフ治療の「効果」と「痛み」に関するギモン

クーリーフ治療を受ける患者さんが最も気になる、痛みの軽減レベルや治療効果に関する質問にお答えします。

Q1-1:クーリーフ治療を受けたら、膝の痛みは完全にゼロになりますか?

A. 痛みが完全にゼロになることは保証できませんが、大幅な痛みの軽減(半減以上)が期待できます。

クーリーフ治療は、痛みの信号を伝える感覚神経の働きを抑制することで、つらい慢性疼痛をコントロールするものです。変形した関節そのものを元に戻すわけではありません。

しかし、海外の臨床データでは、治療後6ヶ月の時点で約74.1%の患者さんが痛みを50%以上軽減できたと報告されています。痛みのレベルが大きく下がることで、「日常生活が楽になった」「夜間に痛みで目が覚めなくなった」「鎮痛剤の使用量が減った」といった、生活の質の劇的な向上が期待できます。当院は、痛みをゼロにすることよりも、痛みを気にせず活動できる状態を目指します。

Q2-2:治療効果はいつ頃から感じられ、どれくらい持続するのですか?

A. 効果は治療後数日〜1ヶ月で現れ始め、最長2年程度持続することが期待されます。

  • 効果発現の時期: 治療直後の麻酔効果が切れた後、数日間は治療による違和感や軽度の痛みを感じる場合があります。本来の疼痛軽減効果は、個人差がありますが、早い方で2日〜1週間程度で徐々に現れ始め、治療後約3ヶ月で最大の効果を発揮する傾向があります。
  • 持続期間の根拠: クーリーフ治療は、高周波熱で神経の一部を熱凝固させ、信号伝達をブロックします。焼灼された神経は、時間をかけてゆっくりと再生しますが、この再生するまでの期間(最短11ヶ月から最長2年)が、痛みの軽減効果の持続期間となります。

Q3-3:痛みがなくなると、ついつい無理をしてしまい、変形が進行することはありませんか?

A. 痛みが軽減したことで無理をしすぎるのは危険です。必ず医師の指導のもと、リハビリに取り組んでください。

クーリーフは関節の変形を治す治療ではないため、痛みが消えたからといって、関節に過度な負担をかけると、変形が進行する可能性があります。

当院の院長は日本リハビリテーション医学会専門医でもあります。当院では、痛みが軽減した後に、弱った膝周りの筋肉(大腿四頭筋など)を強化する運動器リハビリテーションを重点的に行います。このリハビリによって膝の安定性を高めることが、変形の進行抑制痛みの再発予防につながります。

2. 治療の「安全性」と「適応」に関するギモン

治療を受けるにあたっての安全性、そして自分が本当に治療の対象となるかについての疑問にお答えします。

Q4-1:高周波で神経を焼灼すると聞きました。運動神経に影響が出て、足が動かなくなったりしませんか?

A. 運動神経への影響は極めて低いと言えます。当院では「二重の安全確認」を徹底しています。

クーリーフは、筋肉を動かす運動神経ではなく、痛みを感じる感覚神経のみをターゲットにします。安全性を確保するため、以下のプロセスを厳守します。

  1. 超音波(エコー)ガイド下: 日本関節病学会クーリーフ認定医である院長が、超音波で血管や運動神経の位置をリアルタイムで確認しながら針を誘導します。
  2. 電流刺激による確認: 針がターゲットに近づいたら、ごく微弱な電流を流します。筋肉が反応すれば運動神経が近いと判断し、運動神経を確実に避けてから、焼灼を行います。

この専門的な手技により、痛みの信号だけをブロックし、膝の機能(曲げ伸ばし)には影響を与えない安全性の高い治療を実現しています。

Q5-2:治療の前に必ず受ける「テストブロック」とは何ですか?もし効果がなければどうなりますか?

A. テストブロックは、クーリーフ治療の成功率を保証するための最も重要な診断です。

  • 目的: クーリーフ治療のターゲットとなる感覚神経にごく少量の局所麻酔薬を注射し、一時的に痛みが半減するかどうかを評価します。
  • 判断基準: 痛みが軽減した場合、その神経が痛みの原因であると特定され、クーリーフ治療の高い有効性が期待できます。
  • 効果がなかった場合: テストブロックで痛みが軽減しなかった場合、その痛みの原因はクーリーフのターゲットとなる神経以外にあると判断し、クーリーフの適応外となります。その際は、関節内注射、ハイドロリリース、他の神経ブロック、リハビリなど、患者さんに最適な別の治療法をご提案します。

Q6-3:高齢ですが、年齢制限はありますか?持病(心臓病など)があっても受けられますか?

A. 原則として年齢制限はありません。むしろ手術が難しい高齢者や持病をお持ちの方に推奨されます。

  • 高齢者への適応: クーリーフは全身麻酔を必要とせず、局所麻酔のみ日帰り治療であるため、体力的な負担が極めて少なく、ご高齢の方でも安心して受けていただけます。
  • 持病(合併症): 心疾患、肺疾患、糖尿病などの持病がある場合、全身麻酔を伴う手術はリスクが高まります。クーリーフは低侵襲であるため、手術が難しい方の疼痛管理の選択肢として非常に有力です。ただし、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用されている方は、出血リスクがあるため事前の調整が必要です。必ず診察時にお伝えください。

3. 「治療後の経過」と「再治療」に関するギモン

治療後の日常生活、そして将来的な痛みの再発に対する疑問にお答えします。

Q7-1:治療当日の流れと、日常生活に戻るまでの期間を教えてください。

A. 治療は日帰りで完了し、翌日からは通常の生活に戻ることが可能です。

  • 治療当日の流れ: 来院後、最終確認と麻酔を行い、本治療(片膝30分〜60分程度)を実施します。その後、院内で1時間〜1時間半程度の経過観察を経て、問題がなければご帰宅いただけます。
  • 治療後: 治療箇所に軽度の違和感(中には疼痛)や内出血が生じることがありますが、通常は数日で落ち着きます。術後数日間は激しい運動を避けていただきますが、翌日からはデスクワークや軽い家事、歩行などは可能です。

Q8-2:クーリーフの効果が切れて痛みが再発したら、2回目の治療は受けられますか?

A. はい、2回目の治療(再治療)は可能です。

焼灼された神経は時間をかけて再生しますが、再生のタイミング(効果が切れる時期)には個人差があります。効果が薄れ、再び日常生活に支障が出るレベルの痛みが生じた場合、以下の条件を満たせば再治療が可能です。

  • 間隔: 一般的に、前回の治療から1年以上の間隔を空ける必要があります。
  • 再診断: 2回目の治療前にも、必ずテストブロックを実施し、痛みの原因が前回と同じ神経であることを確認します。
  • 当院の考え方: 痛みの再発を予防するため、再治療の前にリハビリテーションを徹底的に行うことを推奨しています。筋力が回復していれば、痛みの再発までの期間を延ばしたり、痛みのレベルを以前より低く抑えたりすることが可能です。

Q9-3:クーリーフ治療後に、人工関節置換術を受けることは可能ですか?

A. はい、全く問題なく人工関節置換術を受けていただけます。

クーリーフ治療は、関節の構造や骨の組織に影響を与えるものではありません。痛みを一時的に軽減することで、手術までの待機期間のQOLを向上させることを主な目的としています。クーリーフ治療を受けたことが、将来的な人工関節置換術の妨げになったり、手術の難易度を高めたりすることはありませんのでご安心ください。

4. 「費用」と「当院の専門性」に関するギモン

治療費に関する不安、そして当院が提供する治療の質の高さに関する質問にお答えします。

Q10-1:クーリーフ治療は保険適用ですか?費用は高額になりますか?

A. クーリーフは健康保険が適用されます。高額療養費制度の利用も可能です。

  • 保険適用: 末梢神経ラジオ波焼灼療法(クーリーフ)は、2023年6月より公的医療保険が適用されています。
  • 費用の目安: 治療費は患者さんの窓口負担割合(1〜3割)に応じて異なり、片膝1回あたりの自己負担額は、3割負担で約50,000円〜60,000円程度が目安です。(※別途、検査費用、テストブロック費用などが加算されます。)
  • 高額療養費制度: ひと月あたりの医療費の自己負担額には上限が設けられています。医療費の支払いについてご心配な方は、当院の受付にご相談いただくか、ご加入の健康保険組合にお問い合わせください。

Q11-2:だて整形外科でクーリーフ治療を受ける最大のメリットは何ですか?

A. 当院の最大のメリットは、「日本関節病学会 クーリーフ認定医」による高度な診断と「リハビリ専門医」による徹底した機能回復のサポート体制です。

  1. 高精度な診断と安全な治療(認定医):
    • 院長は日本関節病学会によるクーリーフ認定医であり、その高い専門知識と技術が治療の安全性と有効性を保証します。下関市初導入の先進機器と、認定医の確かな手技で、運動神経を回避した精密な治療を実現します。
  2. 機能回復を見据えた総合的なサポート(リハビリ専門医):
    • 院長は日本リハビリテーション医学会専門医でもあり、治療後のリハビリテーションに最も注力しています。痛みが軽減した瞬間から、理学療法士と連携し、筋力回復、歩行矯正、転倒予防まで、地域の「寝たきりゼロ」を目標に、患者さまの完全な機能回復をサポートします。

5. 最後に:不安を解消し、活動的な一歩を踏み出しましょう

クーリーフ治療は、変形性膝関節症による慢性疼痛に苦しむ多くの方にとって、生活を一変させる可能性を秘めています。不安や疑問を抱えたまま治療に臨む必要はありません。

当院では、認定医である院長があなたの症状を正確に診断し、全ての疑問に丁寧にお答えいたします。

「痛みは完全に消えるのか」「2回目の治療は大丈夫か」— この記事で解消できなかった疑問についても、ぜひ一度、当院にご相談ください。専門医とともに、活動的な未来を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

記事監修

伊達 亮(だて整形外科リハビリテーションクリニック 院長)

福岡大学医学部医学科を卒業後、山口大学医学部付属病院整形外科・麻酔科での経験を経て現職に至る。日本整形外科学会専門医日本骨粗鬆症学会専門医日本リハビリテーション医学会専門医など多岐にわたる専門医資格を保持。日本関節病学会によるクーリーフ認定を受け、地域の「寝たきりゼロ」をミッションに掲げ、骨粗しょう症の早期発見・早期治療、および運動器リハビリによる転倒予防に尽力している。

【出典・参考文献】

本記事は、公的機関の発表、および国内外の信頼できる臨床報告に基づき作成されています。

  1. 公的医療制度情報
    • 厚生労働省:令和4年度診療報酬改定の概要(末梢神経ラジオ波焼灼療法の保険適用に関する情報、高額療養費制度について)
  2. 医療機器に関する情報
    • アバノス・メディカル・ジャパン株式会社:Coolief疼痛管理用高周波システムに関する医療従事者向け添付文書及び製品情報
      • (製品の仕組み、安全性、効果発現時期、再治療の可能性に関する情報)
  3. 主要な臨床データ・有効性に関する情報
    • Corey, A. S., et al.:Prospective, Randomized, Multi-Center Study Evaluating the Efficacy and Safety of Cooled Radiofrequency Denervation for the Treatment of Chronic Knee Pain. Pain Pract. 2017 Jul;17(6):687-698.
      • (クーリーフ治療における疼痛軽減の臨床的有効性、持続期間(最大2年間)に関する科学的根拠)
  4. 専門医学会情報
    • 日本関節病学会:クーリーフ認定制度に関する情報
    • 日本整形外科学会:変形性膝関節症診療ガイドライン
    • 日本リハビリテーション医学会:疼痛とリハビリテーションに関する見解